JP EN ZH

不動産競売とは?仕組み・メリット・リスクを徹底解説

競売物件の基礎知識から入札の流れまで、投資判断に必要な情報をまとめました

目次

  1. 競売物件とは — 3つの種類と仕組み
  2. 競売市場の現状(データで見る)
  3. 競売のメリット
  4. 競売のリスク・デメリット
  5. 競売の流れ(入札から引渡しまで)
  6. 三点セットの読み方
  7. 競売 vs 任意売却 vs 公売
  8. 競売にかかる費用
  9. よくあるトラブルと対処法
  10. 入札書の書き方(記入例付き)
  11. 競売物件の税金ガイド
  12. 初心者がやりがちな5つの失敗
  13. 都道府県別 — 競売物件の探し方
  14. 競売の法律知識 — 知っておくべき条文
  15. KeibaiXで物件を探す

1. 競売物件とは — 3つの種類と仕組み

競売物件(けいばいぶっけん)とは、債務の返済が困難になった不動産を、裁判所が差し押さえて入札方式で売却する物件のことです。正式には「不動産競売(ふどうさんけいばい)」と呼ばれ、民事執行法に基づいて実施されます。

債務者(元の所有者)が借入金を返済できなくなった場合、債権者(銀行等)が裁判所に申立てを行い、裁判所が不動産を差し押さえます。その後、裁判所の管理のもと、最も高い価格を提示した入札者に売却されます。

競売の3つの種類

不動産競売には、法律上3つの種類があります。

種類根拠法概要
強制競売民事執行法43条〜裁判の判決や公正証書に基づき、債権者が債務者の不動産を差し押さえて売却する手続き。債務名義(判決等)が必要
担保不動産競売民事執行法180条〜住宅ローンなどで設定された抵当権に基づき、金融機関等が担保不動産を売却する手続き。最も件数が多い
形式的競売民事執行法195条共有物の分割や遺産分割など、換価を目的とした競売。債務の回収ではなく財産の分配が目的

BIT(裁判所の公式サイト)に掲載される物件情報では、事件番号に「(ケ)」と付くものが担保不動産競売、「(ヌ)」と付くものが強制競売です。

3つの価格 — 売却基準価額・買受可能価額・保証金

競売物件には3つの基準となる価格があり、それぞれ異なる意味を持ちます。

100%
売却基準価額
裁判所が定める基準
例: 1,000万円
80%
買受可能価額
最低入札価格
例: 800万円
20%
保証金
入札時に納付
例: 200万円
価格名意味計算方法
売却基準価額裁判所が不動産鑑定士の評価をもとに定める基準価格市場価格から競売特有のリスク(内覧不可等)を考慮して減額。一般に市場価格の5〜7割程度
買受可能価額入札できる最低価格売却基準価額 × 80%
買受申出保証額入札時に納付する保証金売却基準価額 × 20%

たとえば、売却基準価額が1,000万円の物件の場合、最低800万円から入札でき、入札時に200万円の保証金が必要です。落札できなかった場合、保証金は全額返還されます。

KeibaiXでは、全国の競売物件を利回り・ハザード・AIリスク分析付きで検索できます。物件を検索する →

2. 競売市場の現状(データで見る)

KeibaiXが収集・分析している競売物件データから、現在の市場概況をご紹介します。以下のデータはBIT(裁判所公式サイト)の公開情報に基づいており、本サイトが独自に集計したものです。

指標数値補足
公開中の物件数1522件全国の裁判所で入札を受け付けている物件
平均売却基準価額約893万円公開中物件の平均値
500万円以下の割合約52%少額から検討できる物件の比率
表面利回り平均11.5%推定賃料に基づく参考値(空室リスク・諸経費は未考慮)。利回りの計算方法を詳しく見る

過去の落札実績

当サイトで記録している落札済み物件(613件)のデータです。

指標数値補足
平均落札倍率基準価額の約190%基準価額に対する落札価格の比率。100%を超えると基準価額以上での落札
平均入札者数5.8人1物件あたりの入札参加者数

※ 上記データはKeibaiXが独自に集計した参考値です。すべての競売物件を網羅するものではなく、将来の結果を保証するものでもありません。投資判断は必ずご自身の調査と専門家への相談に基づいて行ってください。

相場・統計ページでは、都道府県別の物件数・利回り分布・価格帯をグラフで確認できます。落札データでは、過去の落札事例を一覧で閲覧できます。

3. 競売のメリット

価格が安い

最大のメリットは取得価格の低さです。売却基準価額は不動産鑑定士の評価額からさらに競売特有のリスクを考慮して減額されるため、一般的な市場価格より大幅に低く設定されます。KeibaiXに掲載中の物件のうち、約52%が500万円以下の基準価額です。

権利関係が裁判所によって整理される

通常の不動産売買では、売主が抵当権の抹消などを行う必要があります。競売の場合、代金納付によって差押え・抵当権・仮登記などの権利は裁判所の手続きにより消滅します(民事執行法82条)。買受人が個別に交渉する必要はありません。

仲介手数料が不要

裁判所が実施する手続きのため、不動産会社を通す必要がなく、仲介手数料(通常は売買価格の3%+6万円+消費税)が発生しません。1,000万円の物件なら約40万円の節約になります。

多様な物件が流通

マンション、一戸建て、土地、事業用ビル、農地など、一般市場に出にくい物件も競売には登場します。通常の不動産市場では売りに出されないような大規模物件や複雑な権利関係の物件も含まれるため、条件次第では希少な物件に出会える可能性があります。

情報の透明性

すべての競売物件について、裁判所が作成した三点セット(物件明細書・現況調査報告書・評価書)が公開されます。これらの資料には権利関係、占有状況、建物の状態、評価額の根拠が詳細に記載されており、入札前に確認できます。

4. 競売のリスク・デメリット

内覧ができない

一般の不動産売買と異なり、競売物件は建物の内部を事前に確認できません。外観や三点セットの写真・記載から状態を推測する必要があります。雨漏り、シロアリ被害、設備の劣化などの隠れた瑕疵がある可能性を考慮しておく必要があります。

KeibaiXのAI解析データによると、分析済み物件のうち建物状態が「老朽化」と判定された物件は約57%です。ただし、これは三点セットの記載に基づく判定であり、実際の状態は物件ごとに異なります。

占有者の存在

落札後に物件を使用するためには、占有者(前所有者や賃借人など)が退去している必要があります。占有者が任意に退去しない場合、裁判所に引渡命令を申し立て、それでも退去しない場合は強制執行の手続きが必要になることがあります(占有者対応の詳細)。

KeibaiXのAI解析では、物件の占有状況も自動判定しています。参考値として、分析済み物件のうち所有者が占有しているケースは約77%です。なお、賃借人が占有している場合、賃貸借契約の内容によっては引き続き賃貸借が存続することがあります(対抗力のある賃借権)。

契約不適合責任がない

一般の不動産売買では、引渡し後に欠陥が見つかった場合、売主に対して修補請求や代金減額請求が可能です(契約不適合責任)。しかし、競売物件にはこの責任が適用されません。購入後に発見された問題はすべて買受人の負担となるため、三点セットの精読と十分な調査が重要です。

代金の一括納付

落札後、裁判所が定める期限(通常1ヶ月程度)までに残代金を一括で納付する必要があります。民事執行法82条の改正により、代金納付前に金融機関の抵当権設定が可能になり、住宅ローンの利用は以前より容易になりましたが、対応する金融機関は限られています。

再建築不可の物件がある

競売物件の中には、建築基準法の接道義務を満たさず再建築ができない物件が含まれることがあります。KeibaiXのAI解析による参考データでは、分析済み物件のうち約26%が再建築不可と判定されています。再建築不可の物件は活用方法が限られるため、入札前に必ず確認してください。

KeibaiXでは三点セットPDFをAIが自動解析し、リスクスコア(1〜5段階)・占有状況・建物状態・再建築可否を物件詳細ページで確認できます。AI解析は参考情報であり、最終判断は三点セットの原本をご確認ください。

各リスクの発生時コスト・三点セットでの見抜き方・入札前チェックリストなど、より詳しく解説しています

競売物件のリスク7選と対策を読む

5. 競売の流れ(入札から引渡しまで)

STEP 1
物件調査
三点セット確認
現地確認
STEP 2
入札
入札書提出
保証金納付
STEP 3
開札
最高価決定
売却許可
STEP 4
代金納付
残代金支払
約1ヶ月以内
STEP 5
引渡し
所有権移転
占有者対応

STEP 1:物件調査

BIT(裁判所の公式サイト)で公開されている三点セットを確認します。物件の権利関係、建物状態、周辺環境を把握し、入札額を検討します。現地に行ける場合は外観の確認も行います。なお、物件内部への立入りや関係者への問い合わせは禁止されています。

STEP 2:入札

入札期間内に、裁判所に入札書を提出します。同時に保証金(売却基準価額の20%)を納付します。入札額は買受可能価額(基準価額の80%)以上であれば有効です。入札書には、個人の場合は住民票、法人の場合は資格証明書の添付が必要です。

STEP 3:開札

入札期間終了後、裁判所で開札が行われます。最も高い価格を提示した人が最高価買受申出人になります。裁判所は売却の許可・不許可を決定し、約1週間後に売却許可決定が確定します。利害関係人による執行抗告がなければ、その翌週に確定します。

STEP 4:代金納付

売却許可決定が確定した後、裁判所が定める期限(通常は確定から約1ヶ月)までに残代金を一括納付します。既に納付した保証金は代金の一部に充当されます。落札できなかった場合、保証金は全額返還されます。

STEP 5:引渡し

代金納付が完了すると、裁判所が職権で所有権移転登記を行います。占有者がいる場合は、代金納付から6ヶ月以内に引渡命令の申立てが可能です(民事執行法83条)。引渡命令にも従わない場合は、強制執行の申立てを行います。

6. 三点セットの読み方

三点セットは裁判所が作成する競売物件の調査資料で、入札判断の最も重要な情報源です。以下の3つの書類で構成されます(三点セットの読み方ガイド)。

書類名作成者内容重点チェックポイント
物件明細書裁判所書記官権利関係の公的記録買受人が引き受ける賃借権や地上権の有無。「なし」と記載されていれば、代金納付により既存の権利はすべて消滅する
現況調査報告書執行官現地調査の結果占有者の氏名・占有権原・占有開始時期。建物の損傷や雨漏り等の記載。写真の確認
評価書不動産鑑定士評価額とその根拠評価額の算出方法(取引事例比較法・収益還元法等)。土地・建物それぞれの評価内訳。減価要因の内容

三点セットで特に注意すべき記載

  • 「売却対象外の物件あり」 — 土地の一部や建物の一部が売却対象に含まれないケース。購入後に利用制限が生じる可能性がある
  • 「対抗力のある賃借権あり」 — 既存の賃貸借契約が買受人に引き継がれる。賃借人を退去させることはできない
  • 「土地の利用権なし」 — 建物のみの競売で、土地の利用権が設定されていない場合。建物の収去を求められる可能性がある
  • 「管理費・修繕積立金の滞納あり」 — マンションの場合、前所有者の滞納額は買受人が引き継ぐ(区分所有法8条)
KeibaiXでは三点セットPDFを自動アーカイブし、AIが要点を抽出しています。BIT公式サイトでの三点セット閲覧期間終了後も、KeibaiX上で確認できます(対応物件のみ)。

7. 競売 vs 任意売却 vs 公売

不動産を市場価格より安く取得する方法には、競売のほかに任意売却公売があります。それぞれ実施者・手続き・リスクが異なります。

競売任意売却公売
実施者裁判所債務者(債権者の同意を得て)国税庁・地方自治体
根拠法民事執行法民法上の任意売買国税徴収法
売却の原因住宅ローン等の債務不履行住宅ローン等の債務不履行税金の滞納
価格水準市場価格の5〜7割が目安市場価格に近い市場価格の5〜7割が目安
内覧不可可能不可(一部例外あり)
仲介手数料不要必要(通常の売買と同じ)不要
契約不適合責任なしありなし
交渉の余地なし(入札のみ)価格・条件交渉が可能なし(入札のみ)
権利の整理裁判所が抹消売主が個別に対応行政が抹消
物件情報の入手三点セット(裁判所作成)通常の不動産情報公売公告・見積価額

価格重視なら競売や公売、物件の状態を確認してから購入したい場合は任意売却が選択肢になります。いずれの方法にもメリット・デメリットがあるため、物件ごとに比較検討することが重要です。

8. 競売にかかる費用

競売物件の取得にかかる主な費用は以下のとおりです。仲介手数料がかからない分、一般の不動産購入と比べて初期費用は抑えられる傾向にあります(競売の費用を詳しく解説)。

費用項目目安備考
保証金売却基準価額の20%入札時に納付。落札できなければ全額返還
残代金落札価格 − 保証金売却許可確定後、約1ヶ月以内に一括納付
登録免許税固定資産税評価額の2%所有権移転登記時(裁判所が手続き)
不動産取得税固定資産税評価額の3〜4%取得後に都道府県から課税。住宅用地の軽減措置あり
司法書士報酬5〜15万円登記手続きを委託する場合(裁判所への嘱託登記は不要だが、住所変更登記等で必要になることがある)
管理費等の滞納清算物件によるマンションの場合、前所有者の滞納分は買受人が承継(区分所有法8条)
引渡命令・強制執行費用数万〜数十万円占有者が任意退去しない場合に必要。申立手数料+執行費用
修繕・リフォーム費用物件による内覧ができないため、一定の予備費を確保しておくことが望ましい

費用のシミュレーション例

売却基準価額500万円の中古戸建を、600万円で落札した場合の概算です(参考値であり、実際の費用は物件・地域により異なります)。

項目金額
保証金(入札時)100万円(基準価額の20%)
残代金500万円(600万 − 100万)
登録免許税約7万円(評価額350万 × 2%)
不動産取得税約10万円(評価額350万 × 3%)
合計約617万円

同じ物件を一般市場で購入した場合、仲介手数料だけで約27万円(600万 × 3% + 6万 + 消費税)が別途かかります。

9. よくあるトラブルと対処法

競売物件の購入で報告されることがある代表的なトラブルと、その対処法をまとめます。

前所有者が退去しない

落札後、前所有者が物件に住み続けるケースがあります。この場合、裁判所に引渡命令を申し立てることができます(代金納付後6ヶ月以内)。引渡命令が発令されても退去しない場合は、強制執行の申立てにより法的に退去させることが可能です。三点セットの現況調査報告書で占有状況を事前に確認することが重要です。

残置物(家財道具等)の処理

前所有者が家具や荷物を残したまま退去するケースがあります。残置物は所有者の財産であるため、勝手に処分すると損害賠償を請求される可能性があります。引渡命令に基づく強制執行の中で、執行官が残置物の処理を行います。

想定外の修繕費用

内覧ができないため、落札後に想定以上の修繕が必要になることがあります。対策として、三点セットの現況調査報告書に記載されている建物の状態を注意深く読み、修繕費用の予備費を確保しておくことが重要です。

管理費・修繕積立金の滞納

マンションの競売物件では、前所有者が管理費や修繕積立金を滞納しているケースがあります。区分所有法8条により、滞納額は買受人が承継します。三点セットの物件明細書に滞納額が記載されているため、入札前に必ず確認してください。

※ 上記は一般的なケースの説明であり、個別の事案については弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。

10. 入札書の書き方(記入例付き)

入札は競売の最も重要なステップです。書類の不備があると入札自体が無効になるため、正確な記入が求められます。ここでは入札書の各項目と記入上の注意点を解説します(入札の手順・戦略をさらに詳しく)。

入札書に記入する項目

事件番号
令和○年(ケ)第○号
物件番号
物件目録の番号
入札価額
買受可能価額以上
入札者情報
住所・氏名・連絡先

入札価額の決め方

入札価額は買受可能価額(売却基準価額の80%)以上であれば有効です。金額は1円単位まで指定でき、最も高い価格を提示した人が落札します。

1,000万円
売却基準価額
×
80%
下限率
=
800万円
最低入札価額
入札価額のコツ:KeibaiXの落札データで同エリア・同物件種別の過去の落札倍率を確認し、相場観を養いましょう。人気エリアでは基準価額の2〜3倍になることもあります。

必要な添付書類

書類個人の場合法人の場合
本人確認住民票(3ヶ月以内)資格証明書(3ヶ月以内)
保証金の証明振込証明書または保証小切手
代理入札の場合委任状 + 代理人の本人確認書類

入札時によくある失敗

入札価額を買受可能価額未満にしてしまう → 入札無効
事件番号・物件番号の記入ミス → 別物件への入札になる
保証金の振込が入札期間に間に合わない → 入札不可
住民票の有効期限切れ(3ヶ月以内のもの) → 再取得が必要

入札書は鉛筆不可(ボールペンまたは万年筆)で記入し、訂正する場合は訂正印が必要です。入札書の用紙は裁判所の執行官室で入手できます。

11. 競売物件の税金ガイド

競売物件の取得・保有・売却の各段階で異なる税金が発生します。事前に理解しておくことで、正確な収支計画を立てられます。

取得時の税金

登録免許税
評価額の2%
代金納付時
不動産取得税
評価額の3〜4%
取得後3〜6ヶ月
印紙税
不要
裁判所手続きのため
税金税率軽減措置
登録免許税固定資産税評価額 × 2%(土地は1.5%に軽減中)自己居住用住宅は0.3%に軽減(床面積50㎡以上等の要件あり)
不動産取得税固定資産税評価額 × 4%(住宅・土地は3%に軽減中)新築住宅は1,200万円控除、中古住宅は築年数に応じた控除あり

保有時の税金(毎年)

税金税率備考
固定資産税固定資産税評価額 × 1.4%(標準税率)毎年1月1日時点の所有者に課税。住宅用地は1/6〜1/3に軽減
都市計画税固定資産税評価額 × 0.3%(上限)市街化区域内の物件のみ。住宅用地は1/3〜2/3に軽減

投資用物件の確定申告

競売物件を賃貸に出す場合、家賃収入は不動産所得として確定申告が必要です。

家賃収入
年間の総収入
必要経費
管理費・修繕費・減価償却等
=
不動産所得
課税対象額

必要経費に算入できる主な項目:

  • 減価償却費(建物部分のみ。木造22年、RC47年で定額法)
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • 修繕費(資本的支出に該当しないもの)
  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料・地震保険料
  • ローン利息(元金部分は不可)
  • 管理委託料・仲介手数料

売却時の税金

競売物件を将来売却する場合、譲渡所得税がかかります。税率は所有期間により大きく異なります。

所有期間区分税率(所得税+住民税)
5年以下短期譲渡所得39.63%(所得税30.63% + 住民税9%)
5年超長期譲渡所得20.315%(所得税15.315% + 住民税5%)
競売物件を転売する場合、5年超の保有で税率がほぼ半分になります。短期転売は利益の約4割が税金で消えるため、出口戦略は慎重に検討してください。

※ 税制は変更されることがあります。最新の情報は国税庁のウェブサイトまたは税理士にご確認ください。

12. 初心者がやりがちな5つの失敗

競売物件の購入で初心者が陥りやすい典型的な失敗パターンを解説します。事前に知っておくことで、多くのリスクを回避できます。

失敗1:三点セットを読まずに入札する

「安いから」という理由だけで入札し、三点セットを十分に読まないケース。三点セットには占有者の情報、建物の劣化状況、権利関係のリスク、減価要因がすべて記載されています。

対策:最低でも物件明細書の「買受人が負担する権利」欄、現況調査報告書の占有状況・建物写真、評価書の減価要因を確認。KeibaiXのAI解析でリスクスコアを事前チェックできます。

失敗2:修繕費用を見積もらない

基準価額の安さに目を奪われ、修繕費用を計算に入れないケース。競売物件は内覧不可のため、想定外の修繕が発生するリスクが高いです。特に築古物件では、屋根・外壁・給排水管・電気設備の劣化が見落とされがちです。

対策:落札価格の10〜20%を修繕予備費として確保。三点セットの写真から建物の状態を推測し、最悪のケースを想定した資金計画を立てましょう。

失敗3:落札倍率の相場を調べない

「基準価額で買える」と思い込んで入札するが、人気物件は基準価額の2〜5倍で落札されることもあります。逆に、倍率が低い物件には低い理由があることも知らずに飛びつくケース。

500万円
基準価額
×
2.5倍
エリア平均倍率
=
1,250万円
実際の落札相場
対策:KeibaiXの落札データで同エリア・同物件種別の過去の落札倍率を確認。相場・統計で地域別の傾向を把握しましょう。

失敗4:代金納付の資金計画が不十分

落札後に代金を用意できないケース。代金納付期限は約1ヶ月と短く、期限内に納付できないと保証金が没収されます。住宅ローンの事前審査を受けていない、現金の準備が間に合わないなどが原因です。

対策:入札前に資金調達方法を確定させること。ローン利用の場合は事前審査を済ませ、現金購入の場合は全額を用意してから入札に参加しましょう。詳しくは住宅ローンガイドをご覧ください。

失敗5:再建築不可を見落とす

建築基準法の接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たさない土地は、既存建物を解体すると新たな建物を建てられません。投資用に購入したが活用できないケースがあります。

対策:評価書の「接道状況」欄を確認。KeibaiXのAI解析では再建築可否を自動判定しています。再建築不可の物件は、賃貸で回す場合に限り検討の余地がありますが、出口戦略が限定されるため上級者向けです。

初心者チェックリスト

三点セットを全ページ読んだか
修繕予備費を確保したか
落札倍率の相場を調べたか
代金納付の資金を確保したか
再建築の可否を確認したか
現地の外観を確認したか

13. 都道府県別 — 競売物件の探し方

競売物件は全国の地方裁判所で取り扱われています。物件数やエリアの特性は地域によって大きく異なるため、投資対象エリアの特徴を理解することが重要です。

競売物件の探し方:3つの方法

方法 1
BIT公式
裁判所の公式サイト
全物件を閲覧可能
方法 2
KeibaiX
利回り・AI解析付き
絞り込み検索が強力
方法 3
裁判所の掲示板
裁判所1Fに掲示
ネット未掲載物件も

エリア選定のポイント

エリア特性メリットデメリット向いている人
都市部(東京・大阪・名古屋等)需要が安定、出口戦略が豊富競争が激しく落札倍率が高い安定志向の投資家
地方都市(県庁所在地等)競争が緩やか、利回りが高め空室リスク、出口に時間がかかる利回り重視の投資家
郊外・過疎地超低価格(数十万円〜)で取得可能賃貸需要が乏しい、再売却が困難自己利用、特殊用途

KeibaiXで都道府県別に探す

KeibaiXでは全国47都道府県の競売物件を、利回り・価格帯・物件種別・ハザードリスクで絞り込み検索できます。

マップ検索なら地図上で直感的に物件を探せます。相場・統計では都道府県別の利回り分布や価格帯を確認できます。

14. 競売の法律知識 — 知っておくべき条文

競売手続きは民事執行法を中心に、複数の法律が関係しています。すべてを暗記する必要はありませんが、重要な条文を知っておくことで三点セットの読解力が上がり、リスク判断の精度が向上します。

民事執行法の重要条文

条文内容買受人への影響
45条競売開始決定・差押えこの時点から所有者は物件を処分できなくなる
59条売却に伴う権利の消滅抵当権・差押え・仮登記は代金納付で消滅。買受人は「きれいな状態」で取得できる
63条売却基準価額の決定不動産鑑定士の評価をもとに裁判所が決定。買受可能価額はこの80%
75条最高価買受申出人の決定最も高い入札者が落札。同額の場合はくじ引き
82条代金納付による所有権取得代金納付と同時に所有権が移転。金融機関の抵当権設定も代金納付前に可能(改正により)
83条引渡命令占有者が退去しない場合、代金納付後6ヶ月以内に申立て可能

その他の関連法規

法律関連条文競売での重要性
区分所有法第8条マンションの管理費・修繕積立金の滞納は買受人が承継する
借地借家法第31条対抗力のある賃借権は競売によっても消滅しない。賃借人はそのまま住み続けられる
建築基準法第43条接道義務。幅員4m以上の道路に2m以上接しない土地は再建築不可
国税徴収法第47条等公売(税金滞納による売却)の根拠法。競売とは異なる手続き

実務で特に重要な3つの概念

対抗力
抵当権設定前の賃借権
は消滅しない
法定地上権
土地と建物の所有者
が異なる場合に成立
消除主義
代金納付で抵当権等
の負担が消滅

対抗力のある賃借権:抵当権が設定される前から存在する賃借権は、競売で物件が売却されても消滅しません。つまり、既存の賃借人がいる場合、買受人はその賃貸借契約を引き継ぐことになります。三点セットの物件明細書にある「買受人が負担することとなる他人の権利」欄で確認できます。

法定地上権:同一所有者の土地と建物に抵当権が設定された後、競売で土地と建物の所有者が分かれた場合に自動的に成立する地上権です。建物所有者は土地を使い続ける権利を持ちます。

消除主義:民事執行法59条に基づき、代金納付によって差押え・抵当権・仮登記などの権利が消滅する原則です。これにより、買受人は従前の負担のない状態で物件を取得できます。ただし、対抗力のある賃借権など消除されない権利もあるため、物件明細書の確認が不可欠です。

法律用語に慣れていない方は、まず用語辞典で基本用語を確認してから三点セットを読むと理解が深まります。

15. KeibaiXで物件を探す

KeibaiXは、裁判所の公式サイト(BIT)の公開データをもとに、利回り・ハザード情報・路線価・AI解析を付加して競売物件を検索できるサービスです。

  • 利回り・価格帯・エリア・ハザード・AIリスクで絞り込み検索
  • AI三点セット解析でリスクスコア・占有状況・建物状態を自動判定
  • 落札データで過去の落札倍率・入札者数を確認
  • 会員登録不要、すべての機能を無料で利用可能

全国1522件の競売物件を検索

物件をさがす 注目物件を見る

もっと詳しく知る

競売マンション購入ガイド
管理費滞納・区分所有法の注意点
競売物件の住宅ローン
融資の条件・対応銀行・手順
競売不動産投資の始め方
利回り計算・物件選定・出口戦略
競売の失敗事例と対策
7つのトラブルとチェックリスト
競売と任意売却の比較
購入者・債務者の視点で徹底比較

免責事項:本ページの内容は不動産競売に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の物件の購入を推奨するものではありません。掲載データはBIT(裁判所公式サイト)の公開情報およびKeibaiXの独自集計に基づく参考値であり、正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて弁護士・司法書士・不動産鑑定士等の専門家にご相談のうえ行ってください。